近年ペット火葬の需要が増え、ペット火葬と調べると、斎場火葬や訪問火葬・合同火葬など火葬の方法を選べるようになりました。
そのなかでも『訪問火葬』という言葉に聞きなじみがない方も多いのではないでしょうか。また、訪問火葬について不安に思っていることや、疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか？
今回は火葬方法の中でも、『訪問火葬』についてご説明していきたいと思います。
Contents
ペット葬儀はいつから始まったのか？
現在ペット葬儀会社は全国におよそ600社あると言われています。
今では当たり前になったペット葬儀ですが、いつから始まったのでしょうか。
一般の方が飼育する動物の葬儀や火葬を引き受ける事業が始まったのは、第二次世界大戦後の昭和20年代前半と言われています。
東京都や関東方面で動物霊園事業が始まったのをきっかけに、全国にペット葬儀会社が誕生しました。
時代の流れとともにペットは家族同然の存在という価値観が広がり、マンションで室内飼いをする飼い主様が増えたことにより、ペット葬儀のニーズが急速に広まりました。それに伴い、ペット葬儀会社も増加したと言われています。
そもそも火葬とは？
火葬とはご遺体を焼却し、残った遺骨を葬るという葬法のひとつです。
人間はほとんどのご遺体が火葬されます。
火葬の歴史はそう長くはなく、一般的になったのは明治時代以降と言われています。
明治以前は土に埋める土葬が主流でしたが、伝染病予防のため火葬文化へと変わっていきました。
ペット葬儀の種類
合同火葬
火葬から供養までを他のペットたちと一緒に行う葬儀です。
火葬に立ち会うのがつらい方や、他のペットたちと旅立つ方がさみしくないとお考えの飼い主様に向いています。
遺骨は受け取れないため、他の方法に比べると料金は安くすみます。
一任個別火葬
火葬からご拾骨までセレモニースタッフが行う火葬方法です。
個別で火葬をしてもらえるため、遺骨を受け取ることも出来ます。
納骨方法の整理がついておらず、時間を置いて後からゆっくり考えたい場合は、ひとまず個別火葬を選択すると良いでしょう。
立ち会い火葬
火葬を行った後、ご家族様でご拾骨をすることができるのが立ち会い火葬の特徴です。
最期の時までそばにいて、供養してあげたいと考えていらっしゃる飼い主様におすすめです。
訪問火葬
斎場に行かず、自宅や思い出の場所に来てもらい火葬する方法です。
飼い主様のスケジュールや精神状況を考慮し、その場で火葬を執り行う葬儀方法です。
今回は訪問火葬について詳しくご説明していきたいと思います。
訪問火葬の仕組み
訪問火葬はどのような仕組みなのでしょうか？
訪問火葬を行うためには、認定された火葬車を保有することが条件です。
ペット専用の火葬車とは、焼却炉を搭載した特殊車両のことです。移動式の火葬炉はペット葬儀会社によって特徴が異なります。
火葬と聞くと、どうしても煙が出たり、匂いが気になる…といったお声をよく耳にします。
しかし、近年火葬炉も進化し、独自の燃焼方式で従来の解決できなかった煙・匂い・有害物質を削減し、抑制する構造を開発しているので近隣に迷惑をかける心配はいりません。長い時間を一緒に過ごしてきた自宅で最後のお別れを行いたい方や家族だけで静かにお見送りしたい方、近くに火葬場がなく困っている飼い主様などから人気を集めています。
しかし、ペットのサイズによって火葬炉に入らない場合がありますので、注意が必要です。
訪問火葬の流れ
火葬業者に連絡
大切な家族が天国へ旅立ってしまい、どうすればいいかわからない。という気持ちになる飼い主様も少なくありません。
葬儀会社さんに連絡すると相談にも乗ってくれるので、まずは連絡をしてみましょう。
その後、ペットの種類・体重・自宅までの距離、その他飼い主様の住所など詳細を伝えましょう。飼い主様のスケジュールを伝えると葬儀会社さんが合わせてくれるケースがほとんどですので、気軽に相談してみてくださいね。
業者訪問
自宅前や近隣の迷惑にならない場所に停めてくれますので、希望の場所があれば伝えておきましょう。
火葬業者が来るまでに、安置をしておきましょう。
お別れ
火葬炉の前でセレモニースタッフとお別れを行います。
火葬炉にペットを乗せ、献花や少量の食べ物（生前好きだったおやつなど）を一緒に入れてあげてください。
火葬
ご希望の火葬プランで供養をしてもらいます。
火葬の時間は約30分～1時間程度となります。ペットの大きさによって火葬時間は異なりますので、スケジュールには注意しましょう。
収骨
お火葬後、ご遺骨を飼い主様・ご家族様でご拾骨します。
骨壺に入れて返骨してくれるプランを用意している会社もありますので、セレモニースタッフに相談してみてくださいね。
訪問火葬のメリット
訪問火葬を行う上で飼い主様にはどのようなメリットがあげられるのでしょうか。
順にご紹介していきます。
火葬する日程を決めやすい
訪問火葬を行っているペット火葬業者は24時間365日受け付けているところが多いです。
そのため、ご自身の都合がよい日を選ぶことができ、時間帯も選択することができます。
お仕事で忙しい方や、日中なかなかご家族で集まれない方はよく利用されます。
指定した場所で火葬ができる
自宅や思い出のある場所で火葬ができるのも、訪問火葬のメリットです。
火葬場まで行く必要がなく、移動時間を考えなくてもいいので、時間短縮にもなります。
また、自宅前でなくても思い出の場所を指定し、その場で火葬してもらうこともできます。
費用が抑えられる
火葬車で来てもらう訪問火葬は、ペット霊園で行う火葬と比べて費用が抑えられることが多いことが特徴です。
ペット火葬の価格はペットの大きさで変動する会社がほとんどですので、一般的には大きい身体のペットほど費用が大きくなります。
ペット火葬業者の火葬プランによっても料金は異なりますので、事前に調べておくか、スタッフに問い合わせてみるとよいでしょう。
訪問火葬のデメリット
いつでも対応してくれる訪問火葬ですが、デメリットを知っておかなければトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
次に訪問火葬のデメリットをお伝えしていきます。
納骨や埋葬までは行っていない
訪問火葬はペットの火葬から埋葬まで行うと考える人もいるでしょう。
しかし、実際はペット火葬車では納骨や埋葬には対応していないので、飼い主様で行う必要があります。
ペット火葬車では、訪問した場所でペットの火葬をした後に飼い主に返骨する対応が一般的です。
ペットのお骨は飼い主の責任で納骨や埋葬をしなくてはいけません。
訪問火葬を依頼する際は、納骨・埋葬方法について調べておくのがおすすめです。ペット火葬業者の中には、寺院と提携しているケースもあり、依頼すれば納骨まで行える場合もあります。納骨・埋葬方法についてあらかじめ問い合わせておくと安心です。
駐車スペースは確保できてる？
駐車する場所がなく、火葬車が路上にはみ出したり、火葬は時間がかかるため、長く駐車する必要があり不審車両や違法駐車として通報されてしまうケースがあります。大切なペットの葬儀で通報されてしまっては悲しいですよね。
事前に駐車できる場所を調べたり、確保しておくとトラブルを回避できます。
また、近所の方に一言断りを入れておくのもトラブルを回避できる方法です。心がけておきましょう。
訪問火葬についてご説明してきました。
大切なペットと過ごしてきた思い出の場所で火葬ができるのが最大のメリットです。
ペットだけでなく、飼い主様にとっても気持ちの整理がつきやすくなります。
メリット・デメリットを理解したうえで、訪問火葬を検討してみてはいかがでしょうか？
